大泉洋さんの著書、「大泉エッセイ」を読みました。
もともと水曜どうでしょうは拝見していて(再放送ですが)、大泉さんが好きでした。
本を手にしたきっかけは、テレビ番組「初耳学」で大泉さんにインタビューをしていたのを見て、
「自分が選んだ道には間違いはない。選ぶ道が全部正解。」という考え方が素敵だなあと思い、
著書を探してみたら見つけたので拝読しました。
本の内容
大泉さんが24〜32歳(1997〜2005)の間、いろいろな雑誌に連載していたエッセイをまとめたものです。
各エッセイに40歳の大泉さんが当時を振り返って一言書いてるのですが、ネタ的な物が多く「しっかりしろ!」など、自分自身でツッコミが入ります。
時折、「この時悩んでたなぁ」というようなコメントもあり、それを踏まえて読み返してみるとちょっと違う印象になったりします。
最初は書き慣れてない文章が、だんだんと読みやすくまとまってくる過程も見られました。
なので、本としてはちょっと新鮮な楽しみ方もできました。
印象に残った話
「スタンスについて考える」というタイトルの話。
大半がネタっぽい本ですが、こちらは真面目な話でした。
かつての座右の名が「人生半身浴」だったそうですが、環境が変化していく中で、自分のあり方について悩んでいた時期だそうです。
私は北海道のいちローカルタレントであります。加えて野心のない男であります。
基本的には北海道で仕事ができればそれでよいと思ってたのです。大泉エッセイ
でもあるとき思ったんですね。
「現状維持でいいと思った男に現状維持ができるのか」と。漠然とした不安でした。
前に進もうと必死に頑張った奴だけが、やっと現状維持をできるのかなと思うようになりましてね
確かに一見、同じことをし続けているように見える人々はいます。
大泉エッセイ
伝統を守り続けている人とかね。
昔のままの味を守り抜く洋食屋さんとかね。
でも昔と同じものを守り抜くなんて、それこそ自分の中では日々新しい何かが芽生えていて、昨日よりももっといいものを、今までで一番美味しいものを、と努力して初めてできることじゃないかと思うわけです。
「今のままでいい」という考えでは、維持すらできなくなるということですよね。
例えば、「100年前から続く老舗の味」を守ってるお店も、100年前と全く同じ味かは分かりません。
どんどん美味しいものが増えて自由に食べられる環境になっている中で、
100年前の人と現代人の味覚って異なるのではないかと思います。
そう考えると、「100年前から続く老舗の味」というのは、
きっと「100年前から、より美味しく作ろうと努力を続けてきた味」なんでしょう。
誰かが言いました。
「世の中は変化だけが不変だ」と。何事も変わっていくのです。
大泉エッセイ
そうなると大事なことは、「その時何を信じて生きているか」ということ、そしてもう一つ、「信じるものをどれだけあっさり見直せるか」ということだと思うのです。
その方が人生は何倍も楽しいと思うのです。
自分がどんなに変わりたくないと思っても、環境は勝手に変化してしまいます。
しかも現代の変化のスピードはとてつもない速さです。
そんな中で、「自分は変わりたくない!」と思っても取り残されてしまうだけです。
とはいえ、信じてたものをあっさり見直すなんて、難しいですよね。。
大泉さんも続きに「それができたら苦労しない」と書いてました。
まとめ
基本的に力を抜いて読むことができます。
最後の方に、
- 本になった時(2013年)の書き下ろし&あとがき
- 文庫化された時(2015年)の書き下ろし&あとがき
があるのですが、どちらも大泉さんのひととなりが垣間見えて良かったです。
奥様のご両親に結婚のご挨拶にいった時の話や、娘さんとのやりとりなど、
テレビでは見られないご家族の話もあってほっこりしました。
たまに考えさせられることもあり、息抜きにちょうど良い本だと思います。
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